RevCommは、すべての「音声コミュニケーション」の在り方を変える
まずは簡単に御社の事業内容、設立年、従業員数などを教えてください。
弊社のビジョンは「“本当の意味でのコミュニケーション”が行き交う豊かな社会を創ること」。それを叶えるために、2017年7月の設立以来、AI×Voice×Cloudを掛け合わせたソフトウェアデータベースを開発しています。主要プロダクトは、音声解析AI電話『MiiTel』です。電話内容をAIで採点し、ご自身でフィードバックすることにより、商談獲得率や成約率の向上を実現することができます。サービスをリリースした2018年10月頃、従業員数は5名ほどでしたが、2020年7月現在は58名(エンジニア21名、ビジネスサイド37名)まで増えています。
約2年で従業員数が10倍以上に増えたというのは、すごい成長率ですね。他にはどのような変化がありましたか?
お客様から直接サービスの価値の高さを実感するフィードバックをいただくことが増え、メディアへの露出も増加しました。おかげさまで社会的ニーズの高さを日々感じております。サービスリリース当初は、人材やソフトウェア業界などのお客様が多かったのですが、現在は金融や保険、不動産業界など業界問わずお客様とのお取り引きがあります。その結果、サービス開発に役立つ多様なビッグデータが蓄積され、エンジニアとしてやりがいを感じられるフェーズです。
なるほど。音声コミュニケーションに関するサービスですと、インサイドセールス以外にも活用できそうですよね。
そうですね。お客様から直接サービスに関してヒアリングする機会を設けているのですが、お客様から新たな活用方法を教えていただくことも少なくありません。最近印象的だったのは、お弁当屋さんの事例ですね。お弁当の発注を受ける際、商品名や個数の聞き間違いを防ぐために、『MiiTel』を使っていただくことで、音声のダブルチェックを実施しているそうです。他にも、カスタマーサクセスやカスタマーサポート分野でのご活用も増えていると聞いており、そういった新たなニーズを積極的に取り入れながら、追加機能を増やしていきたいと考えています。
何よりも、お客様の声を大切にしたサービスを作る
先ほど少し触れていただいた主要プロダクト『MiiTel』について、もう少し詳しくお聞きできればと思います。
具体的に『MiiTel』のプロダクト構想が固まる前も、音声に関する研究を進めていて、それに関するサービスを開発する、というところまでは決まっていました。「音声」の中には講演やスピーチ、対面営業など様々なジャンルが存在します。リサーチを進める中で、働き方改革や生産性向上の観点から、インサイドセールスのニーズが高まっているにも関わらず、インサイドセールス業務のクオリティ・生産性向上に役立つサービスはほとんど存在しないことが分かったんです。そこで、インサイドセールスの音声通信・音声認識を担う『MiiTel』の開発を始めました。確実にお客様に喜んでいただけるサービスにするために、まずはベータ版を一部のお客様にご提供して、フィードバックをいただくことにしました。会話のラリーの回数や、話す量・聞く量、会話のジャンル、声の高低・遅速などをAIで検出し、高精度のフィードバックを行う『MiiTel』のベータ版を、2018年2月にリリースしたんです。その後、お客様から「このボタンが使いづらい」「他のサービスと連携できるとより良い」などと細かなご要望をお伝えいただき、何度も改良を重ねた上で、2018年10月に正式にリリースしました。
なるほど、そのような経緯で正式リリースに至ったんですね。確かその半年後に、『MiiTel』の特徴でもある「音声認識機能」を追加されたと聞きました。
そうですね。電話営業や顧客対応の内容をリアルタイムで解析することや、会話内容を顧客情報に紐付け、クラウド上で自動録音することが可能になりました。実はこういった機能を搭載するには、膨大なデータが必要です。当社はベータ版をリリースしてから、音声機能を搭載するまでの約1年間で、多数の音声データを集めることができました。その結果、音声認識の精度や、それを月額5,980円で利用できる手軽さに好評を得ており、業界問わず多くのお客様から引き合いを受けています。また、音声通信・音声認識の両方を得意とする会社は世界的にも珍しい企業だと思っています。この独自性を強めていくために、現在はボイスチェンジャーや音声合成(テキストをスピーチ化すること)の研究も進め、音声認識技術の精度をさらに上げているところです。
業務委託でのジョインから、大きな将来性を感じてCTOとして参画
平村さんご自身のお話もお伺いできればと思うのですが、『MiiTel』の開発に携わりたいと思ったきっかけは何ですか?
大学院生のときに、音声認識に関する研究をしていたんです。留学生向けの日本語のスピーチテストの採点モジュールを作っていました。また、RevCommに入社する前、7年ほど通信キャリアの仕事に携わっていたので、もともと音声通信や音声認識に興味があったんです。ただ、その領域でお客様の悩みを解決するには、スピード感が必要だと痛感していました。そこを解決するために、スピード感のあるRevCommで『MiiTel』に携わることを決めました。
平村さんは最初、業務委託として『MiiTel』の開発を手伝っていたと伺いました。
そうですね。私がジョインしたのは2017年10月で、設立3か月目の頃です。代表の會田 (あいだ)から声が掛かり、最初の8ヶ月間ほどはプライベートの時間で企画構想や開発を担当していました。当時、代表の會田以外には、クラウド通信開発責任者の川田 (かわた)、技術顧問の澤田(さわだ)しかいませんでした。入社後まずは『MiiTel』のベータ版を開発し、一部のお客様にお試しいただいて、フィードバックを貰いながら改善を重ねました。そこでサービスに対する可能性や将来性を感じ、もっと責任を持ってこのプロダクトを開発していきたいと思い、正式にCTOとして参画することにしたんです。
なるほど。そういった理由でCTOとして参画されたんですね。現在はどのような仕事を担当していますか?
現在はCTOとして、エンジニアチームを統括しています。CTOのミッションは、主にシード期では高速にプロトタイプを作ること、チームが成長した今では組織を構築することの2点です。具体的には、社内制度の導入で組織体制を整えたり、新規プロダクトや海外進出プロジェクトを企画・検討したりしています。自ら手を動かして開発することもありますが、近いうちにすべてメンバーに任せたいと考えているので、一緒に主要プロダクトの開発を進めてくれる仲間が増えると嬉しいですね。